骨粗しょう症
「骨密度の低下を特徴とし、骨折リスクが増大しやすくなる骨格疾患」です。骨強度は骨密度と骨質の2つの要因からなり、骨密度が7割影響し、残りの3割が骨質によるとされる。
骨粗しょう症の分類
骨粗しょう症の分類としては「原発性骨粗鬆症」と「続発性骨粗鬆症(二次性骨粗鬆症)」の二つが存在します。
原発性骨粗鬆症 |
閉経や老化に伴って骨量の減少が起こる骨粗しょう症 |
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原発性骨粗鬆症 |
骨粗しょう症が他の要因によって引き起こされる骨粗しょう症 |
原発性骨粗しょう症の診断
診断基準は①脆弱性骨折(なにも外からの強い力が加わらないのに骨折する)がある。②脊椎(背骨)のX線骨密度測定の腰椎骨密度値が若年成人平均値(YAM)の70%以下で骨粗しょう症と判断される。
検査方法について
骨粗しょう症の検査について3種類の方法があります。
①DAX法(X線による腰椎の検査)
②MD法(X線による第二中手骨の検査)
③超音波測定法
②③は簡便であるが、正確さに欠け診断基準が腰椎の検査を基準にしているので、投薬治療の開始の判断には①を用いるのが妥当である。
●骨粗しょう症の原因となること
骨粗しょう症は様々な原因がある。通常の生活の中でも、生活様式や食事習慣に大きく作用される。女性は閉経後に骨量が急速に減少するといわれ、特に若年で手術で卵巣を切除した場合や、放射線治療で卵巣がダメージを受けた場合は、ホルモンを補充することが絶対必要と言われている。
主な原因
女性ホルモンの低下(閉経時) | 喫煙 | 運動不足 |
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食習慣 | 加齢 | 遺伝的背景 |
過労ストレス | 全身的疾患 | 薬剤の副作用 |
治療
●生活習慣の改善
・食事
骨の健康にかかわる栄養素は多く、バランスのよい食事を心がけることが骨粗しょう症予防の基本です。
なかでも骨の材料となるカルシウムは欠かせません。日本人はあらゆる世代でカルシウムが不足していますから、吸収率の高い乳製品をはじめ、毎日最低600mg(牛乳コップ3杯)のカルシウムをとるよう心がけましょう。
・運動
運動をすることで骨に適度な負荷(圧力)がかかると、骨をつくる細胞が活性化して、カルシウムが骨に沈着しやすくなります。反対に、運動不足の状態が続くと、骨からカルシウムが溶け出しやすくなり、骨は弱くなってしまいます。
また、運動は筋力やバランス力も鍛えて転倒や骨折を防ぐので、骨粗しょう症対策には適度な運動習慣が不可欠です。
・薬物
骨密度や骨質を増やすことで骨折を防止する薬物を使用いたします。
また、ビタミンD3製剤,ビタミンK2製剤,カルシウム製剤などを適宜使用し、あなたに合った方法で治療を進めていきます。
尿のトラブル
尿失禁についての分類
切迫性尿失禁 |
強い尿意を感じて我慢ができずに漏れてしまう。 |
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腹圧性尿失禁 | 咳やくしゃみなどお腹に力がかかった時に尿が漏れる |
混合性尿失禁 |
切迫性と腹圧性の両方の状態がある |
※過活動膀胱 尿意切迫感が必須で頻尿と夜間頻尿をともなう(尿失禁はなくてもよい)
治療
行動療法 |
骨盤底筋訓練(体操) 膀胱訓練(尿をできるだけ貯める練習) |
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薬物療法 |
抗コリン剤 女性ホルモン製剤など |
薬物療法は効果に個人差があり効かない方も多くあります。
腹圧性尿失禁の場合は手術による治療効果が高いといわれています。