ホルモン療法
更年期障害は、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な低下によっておこります。これによって、出現する症状をいちはやく取り除く即効性のある治療です。
ホルモン療法は、簡単なようですが、個人の体や年齢に応じて、血液中のエストロゲン濃度や子宮・乳房などの検診、血液なども細かく見ながらコントロールすることが必要です。
軽い気持ちで細かい管理をせずにつづけることはデメリットもふやすことになります。
信頼できるホームドクターとして産婦人科医と親しくして、閉経後の健康管理と共にホルモン療法を利用していただけます。
マスコミなどで偏った報道がなされホルモン=がんのようなイメージをもたれている方がいらっしゃいますが、正しい情報は当院でおたずねいただければ結構かと思います。
一番正しいホルモン療法は、45歳以下の閉経や、更年期症状の重い方は、5年以内で一旦治療をみなおす(やめる)かまたはさらに安全なやり方へ移行していく、漢方やサプリメントに変えるなどで乳癌リスクを回避しながらいくことです。
微々たる乳癌リスクとはいえ、リスクはリスクです。
上手に信頼できる医師と、ベネフィット(利益・効果)がリスクを上回るような治療を選択して、元気な老後を過ごしていただきたいと日々努力をしています。
Q&A
Q1.ホルモン療法をうけていますが、どうしてもガンに対して恐怖があります。
大丈夫でしょうか?
乳ガンのリスクは長期(4,5年以上)のホルモン治療でごく微妙にあがります。データ的には1万人中8人の増加です。もともと乳ガンは30人に1人といわれる頻度の高いものです。当院は天然E2を使った治療をするので、乳ガン発生リスクは一般的な数字より更に低いです。乳ガンのリスクをあげるものは多くあり、未出産婦、遺伝、肥満などほかにももっとあるのに、いたずらに怖がるのは情報のかたよった理解です。老化、成人病を予防し、女性のQOLをあげるメリットもあるので、安全に必要な期間をきめた治療を主治医と十分話しましょう。
Q2.45歳で、もう閉経してしまっているようで、ホルモンの補充をすすめられています。
なんとなく気が進まないのですが・・・
前述したホルモン治療は閉経年齢以降に更年期症状に苦痛を感じてホルモンの補充をする
場合のリスクであって、このケースとはまったく違います。女性の平均閉経年齢は49~50歳で、それまでは女性ホルモン(エストロゲン)は女性の体の中にあって体の体調を整え、老化(体のサビや加齢変化)を抑えてくれています。最近は若年でもダイエットでエストロゲン分泌がない無月経の人も増えていますが、50歳くらいまでは女性ホルモンはないといけない「必須」のホルモンです。45歳で老化してしまうことは骨粗鬆症・動脈硬化など老後の人生のQOLを低下させるよくないことです。平均的な女性がみな女性ホルモンがある時期に補充することはメリットすらあれガンリスクの上昇などはまったくありません。
Q3.家族や知り合いが反対するのですが。更年期症状(ほてり・のぼせ・不眠など)でホルモン療法をすすめられました。早く効果が出てほしいのですが、漢方はどうなのでしょうか?
漢方には冷えやほてり・のぼせなどに効果があるものもありますが、作用はマイルドでぐっとよくなったという効果はホルモン剤とは比べものにならないでしょう。症状とその強さ(辛さ)に応じて適切な治療を選択しましょう。
Q4.更年期に入ってから、やる気がなく食欲もなく不眠がちです。
婦人科でホルモン治療をしてもすっきりしないので、精神科(心療内科)に行ったところ
抗うつ剤や安定剤の処方をされましたが飲むと眠くてだるいので止めてしまいました。
どうしたらいいでしょうか?
おそらく、ホルモンの少量の補充と精神面の改善をする安定剤や抗うつ財もごく少量、両方必要かと思います。今の医療体制では婦人科へ行くと婦人科的治療、精神科(心療内科)は その系統の薬しか出さないのが現状ですが、当院では、この両方をミックスした治療や漢方・アロマ・カウンセリングなどを併用した治療を行い、大変よい治療効果を出しております。女性をトータルに診ることは更年期医療には大切です。高血圧や高脂血症・骨粗鬆症の治療も平行して行っています。