日記

北アルプスに行ってきました-2日目

朝5時。
視界は全くなく相変わらずの風雨です。
朝食を簡単にすませて、とりあえず小屋の外へ。
今日の行程は常念岳をへて大天井岳。
とりあえずそちらの方向に向かいますが、このルートは稜線歩きといって山のてっぺんを横にずっと歩くため、風を遮るものがありません。
晴れれば眼下に様々な山の姿、美しい空が360度みえるというところですが、こういう20㎜の風雨が吹き荒れている状況では、登山者の体が風に持って行かれるのと、体感温度も低いし疲労と低体温で体調を崩します。
30分くらいいったところで、下山できる分岐点がやってきました。
今日の午後から天気は快方に向かうとの情報から、前進するか、下山して涸沢の方向にむかうか、悩みます。
下山しようかという結論が出たと同時くらいに、山に慣れたような感じのおにいさんが「どうされました?」と声をかけてくれたのです。
「いや、あまりに悪天候で寒いのでもう下山しようかと。山小屋の人たちもそんな感じの話でしたし」と答えると、
「僕は行けるところまで前進して、無理だと思ったらさっきの山小屋に戻ってもいいので常念の方向に向かいます。一緒に来ますか?」と。
こんなときに一緒に連れてってくれるなんて、心折れそうな3人の気持ちは一挙に行くぞ!に変わりました。
それから3時間。
常念岳はかなり厳しいしんどい山で、頂上に着くまえに、メンバーの一人が、「もういやだ。やめてくれ―」と叫んでいました。
頂上についても休憩するための常念小屋はずっと下にあり、そこから30分ひたすら下り、到着。
昼ご飯を頼もうとすると、昼ご飯は12時からで今はまだカップラーメンだけといわれ、それと行動食でおなかを満たし、疲労を癒します。
ただその時には雨が上がり、寒さと風も若干ましになってきました。
ここで泊ることもできますが、まだ昼前のため、次の小屋まで3時間半頑張ることができるかと、メンバーに問い、同意を得てまた歩き始めました。
ここから次の小屋への稜線歩きは、天気が回復してきて、日も差してきたため、どんどん景色が美しく見えるようになってきました。
写真を撮りながら感動しながらの3時間。
これが見たくて来たんだ。

槍ヶ岳がくっきり、そして雄大で繊細な穂高連峰の景色がわれわれをつつんでくれます。
夕方3時ごろ大天井荘到着。
ここは手作りのチーズケーキや引き立てのコーヒーなどを用意しているようなおしゃれな食事のおいしい山小屋です。
中に案内してもらってから、食事やスイーツを取り、日が暮れるにしたがってまるで別世界にいるような景色がそれも時間ごと変化していき楽しませてくれます。
夕焼けと雲海。
すばらしいです。

夕食はまたまたゴージャスなお料理。
手作りのボリュームいっぱいのハンバーグに、里芋やこんにゃく、ゴボウなど根菜類がしっかり入ったいも煮風の具だくさんの汁。
お代わり自由で3倍食べました。
天気が良いので夜はぐっと冷えます。
寝る前には談話室でワインもいただき寝袋にはいり夢の中へ。
朝5時に起きるとまた素晴らしい朝焼けと雲海です。

残り物の行動食をおなかに入れて出発。
本日はこの山旅の最後の1日です。
いつまでも槍ヶ岳が追っかけてくれる稜線歩きを楽しみながら、2時間半ほどで燕山荘へ。
ここは日本で一番人気がある山小屋で、ケーキセットが5種類、ドリンクもカフェラテ、カプチーノなどもあるカフェとショップ、宿泊環境と食事などいろんな意味でいろんな登山者を楽しませる工夫をしている小屋なのです。
私は記念のキーホルダーをゲットし、燕山荘を背中に最後のの下山ルートを降ります。
そして10時半、中房温泉到着。
荷物を降ろして3日ぶりの入浴です。
寒いのに外風呂なのでシャンプーや体を洗うのにかなりの勇気がいります。
皆さん叫びながら山の汚れを落としていました。
私たちの危機を救ってくれたお兄さんとは実は大天井荘についたときにお別れしたのですが、その方が12時のこの場所からのバスに乗るといっておられたので、お礼のなにかを差し上げようと、山小屋のレトルトカレーをゲットし、お兄さんを探しましたが会えずじまいでした。
お風呂がすんで、また山に会いに来ますと約束して名残惜しく帰路につきました。

あまりにスリリングなこと、感動したことは、伝えられない静かな文章になってしまいましたが、本当に旅の前半は修行のような状態、忍耐がすべてでした。
後半の素晴らしい景色は写真で見てくださると伝わると思います。

また、次は何月か。
山の景色をお伝えしますね。

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