過去に世界中を震撼させたスペイン風邪やペスト。たくさんの人が治療法のない状態で感染し亡くなった。今回2020年に広がっている新型コロナウイルス。このウイルスの賢いのが、皆が死に至るのではなく、軽症・無症状の人がたくさんいることだ。宿主が死んでしまうとウイルスは生き残れない。感染した宿主が動き回ることで感染を拡大する。鳥インフルエンザや豚ペストなど、動物に感染症が発生したら、すぐに大量殺傷処分ができるから、割と早いうちに終束をむかえることができる。
治療法やワクチンがない状態で、人が全く動かないようにして、他人との接触を全く断つことは不可能なので、この病気はまだまだ終わりが見えない。8割が抗体を持つと収束するなどと言われたが、重症化するものも1割超なので、その間に何百万人いや全世界では何千万人が死に至る。それを待つしかないほど、われわれは知的能力をもちあわせないのだろうか。宇宙の惑星に、ロケットを寸分たがわず着陸させる計算能力、化学的技術も持っているし、科学的な能力は宇宙人にも引けを取らないだろうなと思っている。
でも、それでも勝てないものはある。
中国のように強権的・独裁政治のほうが今回の封鎖的措置は簡単であり、その分、終結もはやい。日本のような、人権を尊重し、法的根拠にもとづいた合意がないと強制力が発揮できない政治を行う国は、感染症には弱い。自主性というものほど、人間によって差があるものはない。日本は良識、常識を重んじる国。今回はそれが試されている。万一うまくいけば、国として世界のトップの位置づけになり、最高の評価をされるだろうと、夢見ていた。しかし、99%そうではない現実が見えてきたのは私だけだろうか。
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