コラム

更年期高血圧に注意しましょう

女性の高血圧は更年期を境に急激に増加します。更年期になるとどうして血圧が上がりやすくなるのでしょうか?

更年期によくみられる症状(めまい、動悸、いらいら頭痛、ほてり)は、女性ホルモンの一つエストロゲンの減少で、ホルモンバランスが乱れることが原因と考えられています。エストロゲンの減少に伴い、自律神経の働きが乱れ、血圧のコントロールに大きな影響を与えるため、今まで血圧が低めだった人も、ずっと正常値だったという人も、気づかぬうちに高血圧になっていることがあるのです。

更年期高血圧の特徴は、血圧が不安定で変動しやすいことです。普段はそれほどでもないのに、病院での血圧測定では高くなったり、めまいや頭痛などの症状と併せて血圧が上がったり、いらいらや睡眠不足が原因で高くなったりと日常のちょっとしたことで血圧が変動しやすいのです。

更年期は、子供の独立や就職、親の介護、仕事・職場のストレスなど、生活の変化が重なって、いらいらや不安を感じることが多い時期です。その結果、血圧が上がるとさらに不安やストレスが増してしまうという悪循環を起こしやすいのです。

一時的な血圧上昇ぐらいと思って放置すると、慢性的な高血圧状況になりかねません。高血圧になると動脈硬化も促進し、脳卒中や心筋梗塞という重大な病気のリスクも高まります。

皆さんには来院時、血圧測定をお願いしています。ぜひ自分の血圧が、普段どれくらいで、どんな時に高いのか知っていただき、更年期の症状とともに早期に治療していただければと思います。

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