低用量ピル(OC/LEP)
避妊に使うOC(自費)と治療用に使うLEP(保険適用)に分けられますが、どちらも低用量の体に優しいホルモン剤です。
当院で扱っているもの
使っているエストロゲンや黄体ホルモンの種類・量の差があり、一番体に合ったものを医師が処方いたします。
OC(自費・避妊)
- マーベロン
- ファボワール
- トリキュラー/アンジュ
LEP(保険・治療)
周期投与
- フリウェル LD・ULD
- ヤーズ
- ジェミーナ
連続投与
- ヤーズフレックス(120日まで)
- ジェミーナ(77日まで)
作用
- 排卵抑制
- 精子侵入抑制
- 着床抑制(内膜菲薄化)
治療効果・副効用
- 月経困難症の改善
- 子宮内膜症や内膜増殖症の予防・治療
- ニキビ・肌荒れの改善
- 月経前症候群の軽減
服用方法
1日1回同じ時間に毎日服用します。21日服用して7日休むものや、24日服用して4日休む周期投与と、77日から120日まで連続で服用して休薬する連続盗用のものがあります。休薬期間に月経様出血があるので連続投与のものは月経の回数が少ないです。
副作用
休薬期間以外いに微量出血をすることがありますが、成分が低用量であるために起こりやすいだけであり、身体に異常が起きているわけではありません。また、初めて服用を始めた頃に嘔気や胸の張りを感じることがありますが徐々に回復します。むくみ・体重増加・うつ症状・制欲低下などがあればピルの種類を変えることで改善します。
血栓が10万例に2,3例の割合で発生しますが生命に関わることはまずありません。腹痛・胸痛・頭痛・眼症状・下肢痛が出たらご注意ください。急激な胸の痛みや激しい頭痛が出た場合は循環器科、脳外科に緊急受診してください。片方の下肢に痛みがある、浮腫みがある、その他なにか変だなと思う症状の場合は服用を中止して診療時間にナースダイヤル(080-6138-1041)へご連絡ください。
投与について
慎重投与
- 40歳以上の人
- 近親者に乳がんの既往がある人
- 家族に血栓症の既往がある人
- てんかんの人
- 喫煙者
- 糖尿病など耐糖能異常がある人
禁忌
- 乳がん・子宮がんやその疑いがある人
- 現在または過去に血栓症にかかったことのある人
- ヘビースモーカー(1日15本以上)
- 高血圧(160/100以上)
- 妊娠中または授乳中の人
Q&A
ネットでの書き込みで不妊になるとか、体に悪いとかの情報を見て不安です。
来院して医師と相談した上で決めてください。正しい情報を知ることが重要です。
飲み忘れた場合や、やめたくなった場合はどうしたらいいですか?
Nsや医師から説明します。またやめたい時はいつでもやめることができます。気軽に始めてみてください。
月経が辛いので飲みたいのですが、飲んだらいけない人や年齢制限はありますか?
乳がんを始めホルモン性のがんを経験した方、血栓症の素因がある方、前兆を伴う偏頭痛のある方、産後授乳中の方、タバコを15本以上吸う方には投薬しません。また基礎疾患(高血圧・脂質以上・心臓疾患)などや、高度の肥満の方には内服を控えていただいております。年齢は若年でも初経から内服可能ですが、45歳以上では慎重投与で50歳までの方を対象に投薬しております。
OCを飲むと月経が楽だと友人が言うのですが、他にもメリットがありますか?
OCによるメリットを「服効用」と呼びます。避妊という最もメインの作用に加えて、
– 月経が順調になる
– 月経痛、月経量が減る
– ニキビや多毛が改善される(ピルの種類による)
– 子宮内膜症などの予防・治療になる
ということです。特に今まで痛み止めを手放せなかった人、月経が恐怖だった人にはかなりの朗報です。
月経調整ピル(予約不要)
月経を早めたり遅らせたりするホルモン剤です。まれにうまくコントロールができないことがあります。調整したい月経の前の月の月経が開始してからご来院ください。
LNG-IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)
子宮内にT型のプラスチックの器具を挿入し、そこから放出される黄体ホルモンで子宮内膜を薄くして着床妊娠を防ぐ、月経血を減少させるなどの働きをします。一度LNG-sIUSを装着するとその効果は最長5年間持続します。排卵の抑制は不確実なので、PMSを防ぐ効果はあまり期待できません。出産経験のない人には挿入が難しい場合があります。医師にご相談ください。ピルのように毎日飲む必要がなく、体内にはほとんど薬剤としての作用はありません。子宮だけに作用しますので、飲むのに抵抗がある人、または何らかの理由でピルが使えない方には最適です。
装着前について
装着後について
副作用
不正出血がダラダラ続くことがありますが、少量であることが多く、半年から1年でほぼなくなり、全く月経様出血も出なくなってくる方が2・3割です。